旅というのは、広辞苑によれば、「住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと。旅行。古くは必ずしも遠い土地に行くことに限らず、住居を離れることをすべて「たび」と言った」とのこと。確かにその通りかな、と思う。

一方で、旅は「非日常の体験」だとも思っていて、移動距離が遠ければ旅行というのでもなく、必ずしも宿泊を伴う必要は無いと思っている。近くを散歩していて、「あれ、こんなところあったんだ!」という発見は私の中では旅と言える。

「暮らし=日常」であり、「旅=非日常」と考えれば、「暮らすように旅する」ってなかなか難しいようにも思うのですが、私の考えでは、「異国=非日常の場所で、暮らす=普通に生活する」ことは、「暮らすように旅する」ってことになるのかな、と思う。

以前住んで居た、以前行ったことがある都市で、観光地には目もくれず、やはり今住んで居るマニラや日本とは違った場所で、「バスに乗り、スーパーに行き、自炊する」。そんな生活・旅をしてみたいな、と思う今日この頃。

また、普段の生活の中に「非日常」を取り入れることで、何気ない生活が一気に旅行並みの非日常体験になり得る、ことに気づいた。

自分用のお土産として台湾で買ってきた「からすみ」や「烏龍茶」を呑めば台湾での旅行シーンが蘇るし、スポティファイでランダムにかかったBilly JoelのUptown Girlなぞが流れようものなら、NYのブルックリン橋を歩いて渡った高揚感が蘇ってくる。音楽は僕にとっては「No Music, No Life」というほど、生活に溶け込んでいますが、不意打ちに予想外の曲がかかると、一気に「非日常」へと連れて行ってくれるんだな、と思う次第。NYの旅行コストは異常なまでに高いだろうから、そう簡単には行けないが、ありがたいことに、僕には数度の旅行体験がある。一気に過去訪問したNYの風景、空気を思い出すことが出来ることって嬉しいことだな、と思った次第。