私のような短絡的なひねくれ者は、「生涯現役」などと聞くと、「そんなに長いこと働くのはゴメンだね!」「リタイアして何が悪い!」とすぐに反発してしまう。そういう私も、少しはアプローチの仕方が変わってきていて「まずは調べてみる」ことにします。
生涯現役でWebsiteをちょいちょいと調べ始めると、厚生労働省の「生涯現役社会の実現に向けた就労のあり方に関する検討会」報告書に行きつきます。2013年ということは今から11年前ですね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034ttj.html
もっと前からでしょうが、国も高齢化社会の到来に気づいており、様々な提言、方策を立てていたということです。流石に厚生労働省から発行されている報告書だけあって統計もふんだんに使われています。以下、一例。
高齢者の就業意欲は非常に高く、2010 年の 65 歳以上の就業率はアメリカ 16.2%、イギリス 8.4%、ドイツ 4.0%であるのに対し、日本で 21.3%となっている。
さて、現在はもっともっと日本人の高齢者の方はお仕事に従事してるんだろうな、と思います。30%以上の方が就業していると思いますが、どうでしょうか。
2021年の同様のデータ(データブック国際労働比較2023)によれば、2021年の65歳以上の就業率はアメリカ18.0%、イギリス10.3%、ドイツ7.4%であるのに対し、日本で25.1%という感じ。米国、英国、ドイツと歩調を合わせているな、という感じで目立って増えている感じはしません。
日本においては、65歳以上の方の人口(分母)が増えているため、就業率自体はそこまで上がらないのかな、という推測も出来ますね。同じ統計から年齢階層別に統計をみると、65-69歳;50.3%、70-74歳;32.6%、75歳以上;10.5%ということですから、75歳以上の方の構成比がそれなりにありそうだ、ということかと思います。
報告書は、今高齢者と呼ばれる方、これから高齢者になる方(私はこのカテゴリーだと勝手に思っています)は一度読んでみても損は無いです。一語一語よく練られていて「そうだよな」という視点に満ち溢れています。
私はまだ買ったことは無いですが、「楽しい老後」的な本は沢山あるんだと思うのですが、まずはこうした公的な資料を読みながら、色々と考えることは良いことだと思います。地方公共団体がこうした高齢者対策を行うことはもちろん素晴らしいことだと思うのですが、公的な支援や仕組みに頼らなくても良い世の中であるべきだよな、自分自身はお世話になりたくないな、などとつらつら考え始めています。