中国もこの極秘会議の内容を当然ながら掴んでいた。

中国の国民、企業の長引く不況などの社会問題に対する怒り・不安は最早抑えつけられないレベルに達していた。色々な無理を重ねてきたツケが回ってきたといえばそれまでだし、注意に注意を重ねてきた不動産バブルも崩壊も隠せないレベルになってきた。内陸部の起爆剤として建設したインフラ設備は使われることなく風雨に晒されている。

ここ数年、米国が露骨な中国への対峙意識を突き付けてきている。これはトランプ大統領だけではない。ただ、トランプ大統領は露骨な関税攻勢を仕掛けてきている。習近平は関税報復合戦の落しどころがどこにあるのか?あれこれと関係機関に検討させている。中国の内需は大きい。東南アジアやアフリカへの輸出も育ってきている。とはいえ、やはり米国への輸出が止まってしまえば立ちいかない。かと言って米国とのディールに応じることは断じて出来ない。

国民の怒りをそらすために台湾の統合を掲げているが、そんなに簡単に実現できることでないことは分かっている。習近平は、これまで政敵になりそうな危険人物は排除しており、自分のポジションは安泰と言えば安泰だが悩ましいことには違い無い。

さて、こうしたデッドロックに陥っていた状況で、ロシアがウクライナへの矛先を一旦収め、欧州ともタッグを組んで米国と対峙することを検討している。まあ、こんな大それた計画が実現するのか?ただちに情報機関や軍部に徹底討論を指示したが、こうした流れがあること自体は願ったり叶ったりである。当然のことながら全面的な支援をするしかない。

トランプはゼレンスキーに「お前は第3次世界大戦の引き金を引こうとしている」といった趣旨の発言をしたが、本人が全く気付いていないけど、まさに第3次世界大戦の引き金を引こうとしている、と習近平は何とも言えない笑みを浮かべた。

続く